あなたの会社には(業務)マニュアルはありませんよね?
こんな聞き方をするのはスモールビジネスではマニュアルはほとんどないからです。
そして、口伝えで業務が引き継がれ、効率化が遠のいていきます。
中小企業経営者の方々には「仕事は俺の頭の中にある」からマニュアルなんて不要だと思っているからです。
実際、作るとなると費用と時間は相当かかりますが、本当の効率を考えると作った方が良い場合も多いんです。
それではマニュアルを作るべき理由と作成ポイントをご説明します。
目次
マニュアルを作るべき4つの理由
理由1 仕事が属人化している
まず第1の理由は「仕事が属人化している」です。
あなたが本来やるべきは”創造業務”および”判断業務”のはずですよね。
いわゆる”重要度の低い定型業務”も抱え込んでいませんか?
”以前からやっているから”と言ってそのまま担当している場合がほとんどで、見直す機会がありません。取捨選択のタイミングがないのです。
あなたの周りのスタッフも同じ状況です。それぞれの難易度・仕事量・成果がつかめません。
理由2 見えない人件費削減
あなたは人に何度も仕事のやり方を説明したことはないでしょうか?
初めての人に業務を説明する場合はとても時間がかかります。
引き継ぐ側は簡単ですが、引き継がれる側にとってはとてもストレスがかかります。
やってみせ、説明して、させてみて、疑問点を解消しながら覚えるものですが、現実にはそこまでできないのが実情でしょう。
例えば、ベテラン社員が新人に業務を引き継ぐと想定しましょう。
スキルの高いベテラン社員 通常社員の120% と新人40% の処理能力の場合
聞かれる側の処理能力低下と聞く側の処理能力は80%のようにみえますが、実際聞きながら、教えながらだと60%程度まで効率が下がります。
この効率低下分は表面上、数字になかなか現れてきません。教えることが業務になり、人件費の無駄づかいです。
理由3 引き継ぎが不要
上記の理由にも説明しましたが、引き継ぐ度に業務引き継ぎが必要になります。
これが業務だと勘違いされそうですが、引き継ぎに生産性は無いので、成果が全く上がりません。
マニュアル化することでこの無駄な人件費が全く不要になります。
理由4 複数人が効率化に関与
同じ業務が複数人できることによって考え方や物の見方が変わり、新しいアイデアが生まれます。
今まで属人化されてきて、新しい発想が全くできずじまいの分野に新風を取り入れることが可能になります。
マニュアル作成の5つのポイント
マニュアルを作るメリットをご説明してきましたが、作るとなった場合に抑えるべきポイントがあります。
ここに気をつけないとせっかく作ったのに誰も使わないというよくあるパターンになります。
ポイント1 標準化
1つ目はマニュアルを作る前に考えておく必要があるのが「標準化」の観点です。
どういうことか言うと引き継ぐ側からの観点ではなくて、引き継がれる側の観点で作らないと意味がありません。
このベクトルがないと誰も使わなくなり、ゴミ箱行きです。
ベクトルは新入社員レベルの目線ですね。
作り上げてから無駄にしないためにも、作ってから見せるのではなく、見せながら作っていくのが理想的です。
ここをクリアできればあとは比較的ハードルは低いです。
ポイント2 共有化
2つ目は共有化です。DropboxやEvernoteなどファイル管理ソフトで共有設定をしましょう。
スタッフや引継がれる側にも共有フォルダを作成してスタッフがいつでもアクセスできる環境を作りましょう。
こうすることでフタッフを含めた全員の参画意識を広めましょう。
ポイント3 見える化
作成途中の段階からスタッフも参画できる環境があれば、何をやっているかが一目瞭然なので一体感もできます。
マニュアル・資料が属人化されているのではなく、全員が共有でき、いつでも取り出せるようにすることで
その度に説明したりすることがなく、スムーズに業務に移せます。
ポイント4 目次化
マニュアルや資料が揃ってくるとどこに何が投稿されているのかがよく分からなくなってきます。
皆さんのパソコンのデスクトップにはたくさんのファイルやフォルダがありませんか?
個人であれば自分自身がわかりさえすれば良いのですが、誰が見てもすぐわかるようにするためには
目次化されたルールが必要になってきます。
そうです。「誰が見ても分かる」がポイントなのです。
そのためには目次化された一覧表があればとても便利で初めての人でも困ることがないです。
まとめ: 大切なのは作ることではなく、全員が参画意識を持って加筆修正し、運用することで会社の資産になる
いかがだったでしょうか?ちょっとハードルが高かったでしょうか?
実際はマニュアルを作ることに労力を使ってしまうことが多いですが、大切なのは作成後の運用なのです。
あなたを含めてスタッフの方の役に立たなければ意味がありません。
私は会社員勤務していた後半は3つの勤務場所でこのマニュアル化を推進してきました。
長いもので約10ヶ月かかりましたが、4年経過した今でも運用されています。
仕組み化されてしまうとメンテナンスにはほとんど手間がかかりません。
チャレンジしてみようと思う方、でも一人ではできないという方はいつでもお手伝いしますのでお声がけ下さい。
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